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映画「沈まぬ太陽」

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今年公開になった「剣岳」同様に真面目に作られた作品で悪く言うのが気が引ける超大作作品だ。剣岳は元々ドラマ性が希薄なものをそのまま作り画面と役者の演技で作品に仕立て上げた作品であった。「沈まぬ太陽」は原作をどう簡略化して画面と役者の演技で作品に仕立てた作品になっている。多くの人がCGがしょぼいと言っているが,確かにそうだがそれはあまり問題ではなく,カメラの構図が少々単純で演技者の演技に頼り切った感はある。物語りも粛々と進んでいくため気の短い人にはいらいらさせると思う。映画なら画面に集中できるのでテレビ向きの演出ではない事は間違いない。
物語は日本の高度成長期の組合闘争から昭和の終わりまでを舞台にしている。今の若い人に言わせれば,主人公の恩地はそんなに理不尽な人事をされて何で会社を辞めないのかという疑問が湧くかもしれないが,それこそその時代のそハッスル父さんの“矜持”だと思う。時代劇を見てちょんまげ格好悪いと批判しているのと変わりが無い。(確かに主人公は東大法学部卒の設定だから有り余るほど矜持は持ち合わせているだろう)
以前のナイロビ勤務と物語が終る時のナイロビ勤務では主人公の顔つきがまるで違う。何よりも主人公が救われた状況になったかを表している。
働きに疲れたお父さんにはお勧めの映画だ。

映画「ホワイトアウト」

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サスペンスで真犯人は身近の善良な人というのは使い古されているが,この映画も王道を進んでいる。
主人公の女性FBI捜査官は過去の事件のトラウマで南極基地勤務となっているが今ひとつお話に溶け込んでいないように感じる。
犯人との日常の接点をもう少し具体的に描いた方が良かったかもしれない。
犯人を追う捜査官の捜査の時間的縛りがなくなってしまったので緊張感が薄れてしまったように感じる。
この映画のウリは何か良くわからない非常にありきたりで平凡な印象を受ける。
観ても損は無いが少々残念な作品でもある。

映画「引き出しの中のラブレター」

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題名からしてお涙頂戴の映画化とゲンナリするような先入観を与えるが,実際観るとそれほどでもない。
むしろ,「僕の初恋をキミに捧ぐ」よりは上等に仕上がったドラマだ。人物の表現も説得力を持った脚本や演出で見せているし,その点は申し分ない。自分の手紙を読まれた時の漁師の描写はこれこそ映画という好印象を受ける。
主なる物語のほかに,同時並行的に他の人たちの物語が語られ一つに交わっていく手法を取っているが,描き方によってはご都合主義的な印象になる危険性があるがうまく回避してある。
難点は思いついたラジオ番組で親子の確執を癒そうとするのが若干ご都合主義的に思えるが,気にする方が悪いのかもしれない。
昔のラジオ世代にはたまらない映画だと思う。

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