記事一覧

映画「カールじいさんの空飛ぶ家」

アイコン

原題は「UP」。観終わった感想は原題の方が良いと思う。
エド・アズナーのいかにも頑固爺の声が良かった。
この話はピクサーお得意の物語を通して主人公の成長を描くという極めつけのオーソドックスな作りだ。最初の十分位で主人公のカールじいさんの身の上が無声映画的に描かれる。子供ができない体を持つ夫婦は喜びも悲しみも二人で共用する。その最愛の妻が亡くなって主人公は言わば死に場所を求めている毎日だった。旅に出て目的地に着いたものの主人公の心は空虚に満ちていた。妻のわたしの冒険の本のこれからやるべきことは妻にとっては夢の旅の実現ではなく夫と苦楽を共にして過ごすと言うこと。妻は夫に新しい旅を始めるよう求めていたこと。これが本当の意味での最大の泣かせ所だと思う。その証拠にその後,妻の写真も主人公が妻の名前を呼ぶことも描かれていない。主人公は真に次のステップへと踏み出したのだ。
一本のアニメーションに映画的表現でメッセージを送る事が当たり前なようにできるクリエーティブ集団であるピクサーに拍手を送りたい。
ピクサー初の3D作品だが,3Dよりもじっくり観れる2D版できれば字幕スーパー版がお勧めだ。

映画「縞模様のパジャマの少年」

アイコン

タイトルからする印象は何かのほほんとした映画じゃないかと思うがそうではない。
第二次世界大戦下のドイツでのお話だ。主人公の男の子ブルーノは8歳,上に姉がいる。母親は育ちのよさそうな人。父親はナチの親衛隊だ。
今回,父親は昇進して強制収容所の所長となった。ブルーノ達家族も父親と一緒に収容所近くの家に引っ越すことになった。そこで,ブルーノは,縞模様のパジャマを着たユダヤ人の少年と仲良くなる。
今までのホロコースト映画との違いは製作者の悪意のある衝撃のラストだ。はっきり言って2009年最大のショッキングな結末だ。この映画の前には日本のニセ社会派映画など足元にも及ばない。今年最高の後味が悪い映画だ。

映画「携帯彼氏」

アイコン

観ていてものすごく安上がりに感じる映画だ。発想もものすごく安上がりで,ハイテクとオカルトを絡めて説得力を与えようとするニセ科学手法的映画だ。このような映画が蔓延すると,氷の結晶を作る際にありがとうと書いた紙を貼り付けると綺麗なものが出来,馬鹿野郎と書いた紙を貼り付けると汚い者が出来ると言うトンデモを信じてしまう人が増えるかも知れない。
ゆるい役者の演技を見ていると少し腹が立ってくるがこの映画を観に来る人たちはそんなのは気にしていないのかもしれない。
ただ,救いは低予算の映画(だろうと思う)ではあるがショボさはさほど感じなかったことである。作り自体は悪くないと思う。

映画「理想の彼氏」

アイコン

またまた年の差恋愛ものということで,今回は「理想の彼氏」である。
これらのジャンルはありえない偶然が重なりご都合主義的映画進行に向かうものである。(特に日本映画)この映画はどうかというと現実路線を進むストーリーである。二人が出会いその後傷つき別れるという描写は観ている人に説得力があるものとして映るだろう。5年後に二人は出会うが,人生経験をさらに積んだ二人の前途は明るそうな爽快なラストだ。
しかし,この邦題は何とかならなかったのだろうか。

映画「なくもんか」

アイコン

阿部サダヲさん主演のコメディー映画。いつも通りの阿部サダヲさんの濃~い演技で引いてしまう人にはきつい映画かもしれない。それ程今回も阿部サダヲの演技はハイテンションだ。しかしながら,特に妻役の竹内結子さんの迫力ある演技が暴走気味の主人公をサポートし,しかも存在感がある。周囲の俳優,子役も申し分ない。加藤清史郎君もしっかり出演している。
さて,俳優陣はしっかりしているが内容はどうだろう。私は脚本に問題があると言わざるを得ない。私が製作者なら,この脚本ではGOサインは出さないであろう。その理由の大きな点は小さい取るに足らない伏線も回収する気が無いシーンがてんこ盛りな事だ。そんなことよりももっと主人公周辺を掘り下げる必要があるのではないかと思う。
主人公が下着姿で走り回るのと演出的には最後の漫才シーンは何とかならなかったのであろうか。私は相当“薄ら寒かった”。元々私は阿部サダヲさんの演技自体が“薄ら寒い”と感じているが。
最後,エンドクレジットで監督名が中央で止まるのはアレな作品だと言われているが少々それ気味になってしまったかもしれない。
尺の長さ以外致命的な問題も無いが喜劇にしては泣ける要素が欠如しているように思える。それ程ひどくは無いので飽きずに観ることは出来ると思うし,鑑賞はお勧めはする作品だ。

映画「イングロリアス・バスターズ 」

アイコン

最初に映画「イングロリアス・バスターズ 」はかなり出来が良かったと思う。つべこべ言わず劇場での鑑賞を勧める終わり。と言ったら,実も蓋も無いので取り敢えず書いてみる。
余計なものはばっさりと省略し,必要なシーンはきわめて映画的描写にこだわる姿勢がうれしい。こういうのを映画と言うのだ。
話の内容は,史実を無視した自由な作りになっている。今年,史実を無視した映 画として「GOEMON」があったが,特に後半から妙に説教くさい台詞劇が始 まりひどい出来となった。「イングロリアス・バスターズ 」は最後まである意 味馬鹿映画に徹する潔さはすばらしいと思う。良い意味で本当に馬鹿映画であ る。一言,お勧めの映画だ。やはり,主人公の最後の一言がこの映画の“すごさ” が現れていると確信する。
さて,この映画は,英語はもちろん,舞台であるフランス語,ドイツ語,イタリア語が登場する。だからと言って日本人は大変と言うわけではない。アメリカ人も大変である。従って,“Drei Gläser”の指による数字の表し方はアメリカ人向けに説明してある。(日本人ととイギリス人の共通点があることがわかった)しかし,イタリア語は説明不要。アメリカ人でも日本人でもバレバレである ことは明白だ。必死になってイタリア語を話しているのが微妙におかしい。

映画「2012」

アイコン

話題の映画「2012」。
予告編から予想して,まさか,圧巻の迫力のCG映像でありふれたたいしたこと無いドラマを盛り上げ,最後は小さい家族の幸せと人類の明るい未来を重ねるように描くと言う陳腐な演出の映画にはならないで欲しいと願っていたが,さすがエメリッヒ監督,なっちゃっていた。
離婚を経験した主人公とその元家族といったどこかで聞いたような人たちと人類滅亡を発見した科学者の親友の科学者を中心にしたこれまたどこかで聞いたような設定の物語りで始まる。一般人の主人公の方は悪運が良すぎると言っても過言じゃない奇跡的なクルマ走行で災害を乗り切る。それが余りにもすごいのだ。感情移入というよりはここまでやると笑ってしまう。その後,二機飛行機に乗り換えたるが,これらも奇跡的な操縦で逃れたのは言うまでも無い。ここまで来るとギャグだ。締めは最後の大型貨物機の大げさな着陸アクションシーンへ続く。さっさと判断しないとダメなところでのんきにテレビ会議している各国政府首脳達とそれに重なる一般人主人公達の起こしてしまった(本来の脱出計画に多大な迷惑をかけた)ミスを回収するドキドキ(一部の映画ファンがこれで満足する)するステキな感動なシーンとなる。泣かせようとしているシーンがあまりの出来で苦笑の連続だった。それと,はっきり言ってドラマは無いに等しい。迫力満点のCGに飽きた人は見る価値は無く,途中退場して別の映画を観るしかない。
この映画の薄っぺらさは終盤のシーンで顕著になると思う。津波が予想よりも早く到着する事がわかり箱舟を発進体制にするため,乗船ゲートが閉じられたため,たくさんの人が箱舟に乗れなくなってしまった。その人たちを見捨てるかどうかで脱出プロジェクトのリーダーと地球物理学者で対立する。(ここでのんきにテレビ会議となる)結局ゲートが開かれて残された人々が乗船する事が出来たのだか,ちょっと待った。その殆どの人たちが10億ユーロで乗船券を購入したお金持ち連中なのだ。お金の無い殆どの人たちはここへも来れず,それ以前に箱舟の存在も知らずに災害で命を落としていったのだ。このシーンで救われたのはお金持ちである。これが欺瞞と言わずして,何と言えば良いのだろうか。
圧倒の映像を楽しみたいという人にはお勧めだが。本来の映画を観たいという人にはお勧めしない。

映画「曲がれ!スプーン」

アイコン

出演している映画がことごとくひどい出来で,長澤まさみは出る映画が駄作というイメージが定着してしまっているような気がする。私のそれらの評価はやはり“群青のマリアナ海溝”状態だ。そんな長澤まさみの次なる主演映画は「曲がれ!スプーン」。監督 本広克行 ,製作 亀山千広と聞いただけでげっそりする布陣で製作された映画はやはり期待に違わないひどい出来である。映画は確かに時々くすっと笑わせる部分は確かにある。しかし,それに騙される私ではない。特に長澤まさみのシーンのテンポが異様に悪く,監督は長澤まさみに恨みでもあるのではないかと思った。しかも,長澤まさみの演技が異様にひどすぎる。やる気がないとしか思えない。長澤まさみの頂点は「ロボコン」だという噂があるが,これではこの噂が事実であると思わざるを得ない。本広克行 は「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」「UDON」「少林少女」と駄作を連発している。私個人としては正気の沙汰と思えない。やはりと言えば長澤まさみの胸に関して物語でちょっと触れているが,監督の悪趣味としか言いようが無い。胸と言えば,出ている映画の面白さでは綾瀬はるかの方が一歩リードしている。観ても構わないが招待券を使った方が良いとお勧めするが,鑑賞に費やした時間の保証はしない。
長澤まさみのパフォーマンスはこの程度ではないと私は信じているのだが・・・・。(出演作品選べ,もっと冒険しろ)
責任者:本広克行,亀山千広,長澤まさみ

映画「のんちゃんのり弁」

アイコン

主人公のキャラクターに小西真奈美の雰囲気がマッチして,いい感じに仕上がっている。全体的に悪くは無いのだが,小西真奈美が力を入れれば入れるほどちょいと引いてしまう。もっと自然に演じて欲しいと思った。倍賞美津子,岸部一徳を始め周囲の役者もなかなか良い演技だった。話の内容は昔懐かしき映画と言ったところ。よく言えば無難,悪く言えば陳腐と言えるが,陳腐な描き方だからこそ難しく,ところどころ破綻気味なのである。そんなに出来はひどくは無いので普通に楽しめそうな映画だ。

映画「クヒオ大佐」

アイコン

実際有った話を基にした物語だ。うさんくさい自称アメリカ将校クヒオ大佐を演じるのは堺雅人。引っ張りだこだ。クヒオ大佐の間抜けさは観ている人にドリフターズの志村けんを応援する子供のような感覚だ。監督の腕が良いのかなかなか面白い作品に仕上がっている。詐欺師らしく自分の悲しい過去までも作り変えて話すくだりは涙ものだ。騙される女性達もうすうす気づいているのだが騙されてしまうという説得力はあった。観て普通に楽しめる映画だ。

Content-type: text/plain