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映画「カイジ ~人生逆転ゲーム~」

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原作は読んでいない。しかし,福本伸行氏の麻雀漫画は読んでいる。おそらく,映画的表現とかけ離れた描写が続く作品であろう事は容易に想像できる。ただでさえ漫画をそのまま実写した映画はことごとく滑稽な映画と化している。漫画の表現を生かせば生かすほど実写映画は滑稽になる。福本伸行氏漫画表現は漫画の中でも飛びぬけて心理描写の台詞,心の中の台詞,状況説明の台詞,ナレーションの台詞のオンパレードで原作そのままに映画化するのは無謀の極みであり,それを希望する一部の原作ファンは映画という表現手法わかっていないと思う。
さて,「カイジ ~人生逆転ゲーム~」は映画作品として妥協の産物であるが何とか成り立ってますと言うレベルだ。実写として悲しいのは鉄骨の上での登場人物の台詞が異様に多く長い事である。このシーンを是とするか非とするかで評価は分かれる事になると思うが,そもそもこの原作を映画化することが困難であることから仕方が無い事だ。原作ファンがなんと言おうと一応の起承転結のある作品にはなったようであるが,役者の演技力だけに頼っているのが悲しい。天海祐希さんの起用も福本伸行作品のむさ苦しさを和らげる意味で良かったが,実際邪魔っぽかった。藤原竜也さんの暑苦しい演技も悪く無い。香川照之さんは何をやらせても要求する以上の演技が出来るすばらしい役者であることを再認識した。(出来れば実写版の宇宙戦艦ヤマトの真田さんを演じて欲しかった)
10月26日追記
TBSラジオのシネマハスラーでライムスター宇多丸氏がEカードのシーンを延々と続く“顔相撲”と命名していた。これは的を射ている表現だ。

映画「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」

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学生の頃,読書感想文を書くためにいやいや太宰治の作品を呼んだがことごとく自分に合わなかった。主人公(男)の行動に嫌悪を感じるからである。「ヴィヨンの妻」も例外ではない。
映画は私に作品の嫌悪感を呼び起こすに十分な描き方である。妻の佐知(松たか子)の魅力は引き立っているがちょっと演技に制限がかかったのか少し残念であった。

余談であるが,広末涼子はしゃべらなければ演技は良いと思う。

映画「ワイルド・スピード MAX」

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カーアクションが売りの映画にしては強盗団,麻薬密輸団の話ばかりで肝心のカーアクションも現実味も新鮮味も無く退屈だった。運びや選びの競争もこじんまりとしていたし,終盤のトンネル内のカーチェイスは作り物っぽい上に,カーチェイスとしての迫力を感じる事が出来なかった。迷路性の構造を生かしたアイディアがほしいと思う。
最初のタンクローリー強盗のタンク潜りシーンがいかにもCGであるので,その後のカーチェイスに全く説得力が無かった。こういった映画にCGを使うことがいかに面白みをスポイルするか製作者は理解するべきだ。

映画「くもりときどきミートボール」

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映画の宣伝も殆ど無く,お客は全然入っていないかわいそうな映画だ。私も始めはあまり観に行く気が無かった。私の住む地方は今週新しい映画は上映されていない。仕方が無くという感じで観に行った。
はっきり言って面白かったし,非常に楽しかった。某お笑いが作った映画と違って大笑いしてしまった。(寂しい事に観客は二人しかいなかったが)映画の演出,構成も申し分無い。しかも,作為的にドラマの品を下げて作っていると思われる節がある。悪意のある演出だ。それが,この作品にはちょうど良いスパイスになっている。個人的に好きなのはゼリーのマンションのシーンだ。クライマックスも結構スリリングな展開で好感が持てる。観に行って良かったという作品だ。

映画「キラー・ヴァージンロード」

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俳優の岸谷五朗の初監督作だ。昔あったようなドタバタコメディーだが,映画の冒頭から何これものになってしまっている。
主演の上野樹里はテレビで同じようなキャラクターを演じていた。お約束のキャラクターなのだろうか。木村佳乃はいい味を出しているように思えるが,登場人物全体が極端なステレオタイプの描き方なので際立って良くも見えない。
コメディー映画として致命的なのは,脚本が練られていない事だ。殆ど一発芸のようなギャグばかりで観ていて痛々しい。映画の中盤がだらだらとしているので中弛みも半端じゃない。岸谷五朗氏は映画作品を仕上げるまでにはまだまだと言わざるを得ない。とはいうものの非常にライトに鑑賞するにはうってつけなので,スクリーンに集中する必要の無い若いカップルのデートムービーとしてはお勧めである。

映画「ドゥームズデイ」

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B級アクション映画なのに30億円も制作費使ってしまいました。
一言で言えば恐るべき映画。やっている内容はB級そのものだがお金があるのでグロい残酷描写は変にリアリティーがある。話の内容も過去のバイオレンスアクション映画などのオマージュ満載だ。こんなばかばかしい事に日本ではお金は使えないだろう。
ローナ・ミトラの最強美女のみで話を引っ張っていくあたりは爽快極まりない。途中,中世の古城でのシーンは少々退屈だった。お金が足りなくなったか特殊効果があまり使われていない。
全般的にはその馬鹿っぷりが見事な映画だ。

残酷描写が嫌いな人にはお勧めしない。

映画「南極料理人」

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昭和基地ではないほんの小さな基地“ふじ基地”で食を中心にして面白おかしく描いたコメディー風ドラマだ。
一言,面白い。任務の他,ろくに娯楽が無い所では,後は食うしか楽しみが無い。料理人としての悲哀が良く描かれている。隊員の作った出来の悪いから揚げを食べて妻の料理を思い出し泣き出す主人公が良い。(他の隊員が何故泣き出したかわからないところが良い)
あくまでも食事を通じて他の隊員達の関係を不足無く描いているのも好感が持てる。
とてもお勧めの一本だ。

映画「路上のソリスト」

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普通の地域では5月に上映しているところの作品であるがやっとやってきた。
新聞記者と路上生活者の交流を綴った実話をベースにした物語。将来偉大なチェロの演奏家になる事を約束された青年ナサニエルがある事情で家を飛び出した。ナサニエルは今やも年をとり弦の2本しかないバイオリンを弾く路上生活者となっていた。それを発見した新聞記者が自身の仕事のため,人道的に良かれと思い,いろいろラサニエルを導こうとするが,最終的には裏目に出てしまう。記者は見下ろした施しのようでしかも,本人の意思に反した慈善などむしろ逆事項かである事を悟る。
人と人の付き合い方を考えさせる問題作であった。

映画「男と女の不都合な真実」

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一言で言って面白かった。アレだけ下ネタとそのものずばりの言葉が乱発される映画ならさぞかしぎとぎとしていそうだがそうではない。非常にカラットしていて小気味良い。ブロンド美人のキャサリン・ハイグルがそれを連発するのだからまたすごい。しかも,コメディー映画の王道を走るオーソドックスな笑いはさすがアメリカだ。高校生ぐらいなら思い切って仲間同士で観てみるのも良いだろう。但し,高校生カップルのデートムービーではないぞ!

映画「カムイ外伝」

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一言で言って残念な作品だった。
チープなCG,特殊効果と盛り上がりの無い脚本と演出が残念だった。剣のアクションはなかなか良かっただけに残念だ。

特殊効果はある程度リアリティーが無いと非常に不自然な動きになる。特にカムイ外伝では遠くからジャンプして切りかかるシーンが異様に不自然というより“変”なのだ。どのくらい“変”と聞かれても“本当に変”と答えるしかないほど“変”だ。これはGOEMON走りと共通するが重力加速度を全く考慮していないから変なのだと思う。カムイの追っ手がカムイのいる木へ向かって全くの等速直線運動で斜め下に向けて動いてくるのだ。おそらく,レールの上に台車を置いてそれに乗って撮影したものを合成したのだろう。例えどんな超人にでも逃れられない基本的な物理法則を無視するべきではない。
抜け忍の話になるが,カムイは今まで追っ手を100人以上倒したと終盤で紹介されていたがちょっと待って欲しい。そんなに忍者っているものなのか。それ程の人数を倒されてしかも,それ以上の人数でカムイを捜索しているのだろう。これほどのリソースをカムイ一人につぎ込むなど大頭という人物は相当の無能ものだ。他の忍軍に有能な大頭がいるならば敵の忍軍に揺さぶりをかけて優秀な忍者を抜け忍に仕立て上げるだけで勝ったようなものだ。それ程今回の大頭は問題がある。戦闘集団であるが全く戦略が無い。刺激に反応するだけである。もう一つ謎なのがこの大頭はカムイを討つ気がまったくないとも思われる。笑いながら去っていくのみである。これでは昔のアニメでの部下を見殺しにして逃げていく敵の隊長のようなものだ。実力があるならカムイを討つべきだ。映画鑑賞者は原作を観ていない人も多い。カムイが何故執拗に追われているのか抜忍という理由以外わからないと思うしこの映画では自由を得たいだけのみ忍者軍から脱したという理由しか描かれていない。従って映画からはこのような印象しかわかない。
いったいこの映画は誰に向けたものか。カムイ伝やカムイ外伝のファン向けならばもっとしっかりした脚本が必要だと思う。

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