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「僕の彼女はサイボーグ」での巨大地震考

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科学ではなくSF用語として,この映画の場合サイボーグは明らかにおかしい。人型ロボットはアンドロイドと良く呼ばれるが,アンドロイドは男性型でガイノイドは女性型ロボットと言う。つまり,“僕の彼女はガイノイド”が正しい。
この映画は綾瀬はるかのかわいさだけが命で,映画としての評価はあまり高くない。脚本が良くないし,SFとしては設定がめちゃくちゃだ。特撮もしょぼく,全然面白みがない映画であった。しかも,監督が韓国のクァク・ジェヨンというのが原因だろうか,日本を舞台にしているのだが日本とは思えない風情など相当違和感がある。日本人の感覚に合わない嘔吐シーンをギャグにするあたり(一度ではない)ちょっと引いてしまう。主人公の青年も日本人の感覚ではリアリティーが無く,まったく共感できない。青年の少年時代はかなり時代考証が変である。最近20世紀少年が上映されたが,あのくらいの年を経た中年じゃなければ少年時代にあのような田舎の景色はありえないだろうと思う。
さて,科学的考察であるが,映画の中で東京大地震が描かれているのでどこで発生した地震か考えてみることにした。
劇中の時間を測定して,その劇中の実時間とすると辻褄が合わないことが多い。バスケットアニメなど典型だ。スラムダンクのアニメーションでこれをやるとバスケットのコートがサッカー場並の広さが必要になる。この映画でのこの場面はこのような時間的過剰演出はないものと思われるので,今回,実際測定した時間を劇内の時間として使用することにする。
大森公式は初期微動の時間から震源までの距離を求める式である。
震源からの距離dは初期微動継続時間Tに比例するので,

d=kT となる

kは大森係数と呼ばれ,約8(km/s)

劇中で本棚が倒れる巨大な初期微動から,ビルが海岸の砂のお城のように脆く崩れ去るような巨大な本震が来るまで約58秒もかかっています。大森公式で震源までの距離を求めると震源までの距離は何と464kmとなる。これだけ震源との距離があるなら,東京の近くで発生した地震ではなく,ましてや直下型地震ではない。464kmというと新幹線の駅で言うなら米原駅ということになる。実際,震源までの深さを考慮するともっと近い場所になるだろう。
おきた地震が直下型地震なら,震源から464kmも離れた東京があのありさまなら,震央付近の町はほぼ壊滅でありそこを中心に464kmの円内は東京より被害が大きいだろう。震央が米原なら大阪は東京よりひどい有様であろう。直下型地震ではなくプレートの境界で発生した地震なら震央はほぼ海上となる。三重県沖か宮城県沖が震央となると思われる。もう一つは深発地震(沈み込むプレート(スラブ)内で発生する地震)だとすると東日本の太平洋側はこの映画のような被害になる。いずれにしろ東京だけ被害を受ける地震ではないのである。
震度は7までしか規定されていないので震度は7となるのだろうが,鉄筋の建物があのように崩れるのは鉄筋,鉄骨なしの手抜き工事ビルとしか考えられない。もちろん地震による深い地割れも登場した。お約束で主人公が地割れに落ちそうになっていた。実際,地震の地割れに人が落ちてどうのこうのはもちろん都市伝説である。

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