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映画「さまよう刃」

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東野圭吾氏の小説が原作だが,原作は未読だ。
妻を病気で失い,家族は娘一人の状況で娘を凶悪な事件で失い,娘殺しの犯人を狙う主人公とそれを阻止しようとする警察の心理描写を交えて描こうとしているが,結果として失敗している。娘と父親の絆の描写のシーンがあまりにも少なく父親がいかに娘を愛しているか良くわからなかった。
物語前半は父親と警察の立場やそれに対する葛藤がお約束通り描かれていた。中堅刑事のくせに酒場で悩むのは滑稽な描写だ。話が更に迷走化するのは父親がもう一人の犯人を追うようになってからである。警察も父親もそれそれの行動の描き方が変に杜撰になってしまっている。テレビならいざ知らず,映画に全力集中している人にはそれが目に付いてしまうと思う。父親の心理描写が不足しており,猟銃の弾を(いつの間にか)空砲にしたという心理の変化が良くわからなくなっている。せめて,弾を取り出し散弾の弾丸をとり出すシーンがさりげなく欲しかった。弾丸部を取り外せば空砲のできあがりとなる。そうすると台詞で空砲であると言う事を言わなくても済む。
未成年犯罪を題材にした問題作ではあったが,父親の逃亡後が特に物語の描写に難があり高評価を付ける事ができない残念な作品になっている。

映画「カイジ ~人生逆転ゲーム~」

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原作は読んでいない。しかし,福本伸行氏の麻雀漫画は読んでいる。おそらく,映画的表現とかけ離れた描写が続く作品であろう事は容易に想像できる。ただでさえ漫画をそのまま実写した映画はことごとく滑稽な映画と化している。漫画の表現を生かせば生かすほど実写映画は滑稽になる。福本伸行氏漫画表現は漫画の中でも飛びぬけて心理描写の台詞,心の中の台詞,状況説明の台詞,ナレーションの台詞のオンパレードで原作そのままに映画化するのは無謀の極みであり,それを希望する一部の原作ファンは映画という表現手法わかっていないと思う。
さて,「カイジ ~人生逆転ゲーム~」は映画作品として妥協の産物であるが何とか成り立ってますと言うレベルだ。実写として悲しいのは鉄骨の上での登場人物の台詞が異様に多く長い事である。このシーンを是とするか非とするかで評価は分かれる事になると思うが,そもそもこの原作を映画化することが困難であることから仕方が無い事だ。原作ファンがなんと言おうと一応の起承転結のある作品にはなったようであるが,役者の演技力だけに頼っているのが悲しい。天海祐希さんの起用も福本伸行作品のむさ苦しさを和らげる意味で良かったが,実際邪魔っぽかった。藤原竜也さんの暑苦しい演技も悪く無い。香川照之さんは何をやらせても要求する以上の演技が出来るすばらしい役者であることを再認識した。(出来れば実写版の宇宙戦艦ヤマトの真田さんを演じて欲しかった)
10月26日追記
TBSラジオのシネマハスラーでライムスター宇多丸氏がEカードのシーンを延々と続く“顔相撲”と命名していた。これは的を射ている表現だ。

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